
2台のバイクは2人の男と小さな犬を乗せて東京から飛び出した。
東京と神奈川の県境、玉川にかかる橋の上でバイバイと言った。
サイドミラーに写る東京の灯りはあっという間に見えなくなった。
20日間。
何百という信号をパスして、十数本の川をまたぐように橋を渡り、
黒々とした山とその谷を滑るように走り、数十本のトンネルを縫うように、
国道1、2、3を走破し、2つの海をわたった。
バックギアのないバイクは前にしか進まない。
未練も涙もあっという間にミラーからも消えて見えなくなる。
旅の途中一つの小さな死を迎え、愛犬の亡がらを生まれた沖縄につれて帰る。
結果、悲しい旅になった。
楽しい思い出もあるが、良い事と悪い事では、
悪い事の方が、目だってしまうもの。
そうしてたどり着いた。
俺とヨシが東京で出会ってから、
熱狂的に語り合った仕事を、ここ沖縄で形作ろうと、
まだ始まったばかり。
活動をなかばにして仕事のパートナーのヨシは、
WASITEを離れる事になり、
今は自分一人でこの活動を続けている。
どこから自然に対して向き合うようになったか、と言えば、
その土台は小さい頃から築き上げられていて、
18歳から東京に出て、それまで当たり前にあった物がなく、
でも最初は新しいものに興奮して遊び回り、
やがてそこでの暮らしと生き方が形作られて来た時に、
心は何を選ぶか、そこで自分は都会にいながら都会らしくない物を、
ずっと求めていた。
「明日、晴れたら海に行こう」
この一冊がなければここにいないかもしれない。
他にも人生に影響を与えた本は多いけど、
これまでに具体的なアクションを起こさせた本はない。
自分をあの時、海に向かわせた言葉は、
ここ(沖縄)では当たり前に使える。
この環境がジャストフィットしているのだと思う。
自然に対して再び開かれた目は、後は好奇心と行動力の押しすすむがままに、
子供の頃に自分を育てた物を守りたいと、思うところから、
WASITEの活動の起源になったのだと思う。
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