

「努力と摩擦」
WASITE SVO REPORT 11.0
Written 08/06/11
再び動き始めたSVOプロジェクト。
8月に入って退職の用意とそれからの活動の準備をこなしながら、
SVOの研究を続けていた。
Aさんのストックしてあった部品を譲ってもらう事になり、
さっそく代金を振り込み品物の到着をまった。
同時に自分なりに探さなくてはならないのが、
廃油をキレイにする仕組み。
以前に部品を注文したのと一緒にお願いしたのが、
廃油をキレイにする為の遠心分離器。
ほぼ間違いなくこの機械でキレイにした油だったら問題なく給油できたという。
だが、すでにSVOに取り組んでいる人たちは、
その人たち自身で工夫しながら廃油をキレイにする装置を作っていた。
たとえば、コーヒーをいれる時のペーパーで濾す人。
女性のストッキングを使って濾す人。
本格的にミクロン単位のフィルターを使う人。様々。
Aさんは出来るだけきれいな廃油をもらって、
その上澄みを使っているようだった。
これがSVOを難しくしている所だと思った。
本当は簡単な事なんだが、新油に近いほどきれいにした廃油だったら
問題なく燃料として給油して走行できる。
だが、廃油の状態はひとつとして同じ物がない。
家庭で出る廃油を集めてみたり、
お惣菜屋さんで廃油をもらってみたり。
油の種類も違うなら、使った度合いと汚れ具合も違う。
まずここで油について説明したい。
SVOに改造したディーゼル車に給油できるのは、
植物油だけ。
しかし固まりやすいパーム油、ヤシの実油はその特性ゆえによくありません。
動物性の油脂も固まる性質がある為使えません。
(ヘッド、ラード、etc)
植物油の新品または賞味期限が切れた物なら、
問題なくそのまま給油出来ます。
ですが、天ぷらや揚げ物を作ったあとの油には、
天ぷらカス、揚げカスなどの不純物が含まれ、
そのまま全ては車に入れると詰まりの原因になってしまいます。
油の中の不純物を出来るだけ取り除いてあげる事が、SVO成功の鍵になるのです。
油をキレイにする事が廃油で走る事において必要な事。
だが、SVOは個人によって車によって場所によって大きく違いが出てくる。
繊細なエンジンもあれば良い意味でアバウトなエンジンもある。
それを乗る人がストッキングで濾せば充分ならそれで充分で、
上澄みでも問題ないなら問題がないのだ。
簡単な話なのだが、これが一番のトラブルの原因になる。
同じ方法は同じように誰かの場合は使えないかも知れない。
SVOにして一番のトラブルになるのは、
燃料が通る燃料ラインと、燃料噴射ポンプ=インジェクション。
ここで不純物や油脂がかたまりつまりを起こすのである。
他にもトラブル事例は有るが、それはこのレポートが書きあがってから、
技術的なデータをまとめる時にまとめようと思うので、ここでは割愛させてもらう。
誰かの車が上澄みで良いなら自分もそれで良いというと違ってくる。
油がきれいな事にこした事はない。
油が新油なみにキレイになればどの車でも問題ないはずなのだが、
遠心分離器以外のいい方法はまだまだ模索中なのである。
そこで僕はAさんから部品が送られてくるのを待つ間に、
油をキレイにする仕組みとそのアイデアを考えたり、インターネットで探していた。
小学生の頃からそんな理科のような事を考えたりするのは大好きな事だった。
色々とアイデアは出た。
比重が違う油と不純物の差を利用した遠心分離器は優れた方法だった。
フィルターによる不純物濾過も一般的だ。
さらには、不純物の持つ電子による液体と不純物の分離、電子分離。
竹炭などの様々な素材による濾過材を探した。その中でひとつ良い物を見つけた。
飲食店の現場での廃油処理として油をキレイにして繰り返し使う目的で、
濾過機を販売する会社を見つけた。
さっそくその会社に連絡をしてみた。
会社は本土の小さな会社らしく、社長自ら対応に応じてくれた。
その濾過機の性能については、
また技術的なレポートをまとめる時にデータと一緒に記したいと思う。
そんな準備をしながらAさんの部品が届くのを待った。
8月10日に部品の発送準備が出来たと連絡がきて8月14日に部品代金を入金して、
部品が届いたのは、9月に入ってからの事だった。
9月にはいって、勤めていた職場を無事退社し、
SVOの研究に集中できる事になった。
届いた部品をさっそく取り付けをお願いしていたメカニックの人に見てもらい、
どのように取り付けるのか相談した。
中には何に使うのか分からないものもあったのでAさんに確認の連絡をいれながら、
とりつける準備をしていった。
準備した物は、
・燃料が通るホース類。
・自分の車のエンジン冷却水(LC)が通る配管にフィットする分岐用のパイプ。
・冷却水を流したり、止めたりを切り替えられる開閉バルブ。
・部品を取り付けるステー。
・100V仕様のリレー
・冷却水の温度を調べる水温計。
・さまざまなスイッチ、配線類。
・自分の車の燃料噴射ポンプの設計図。
・噴射ポンプの燃料が入る場所の部品
・旋盤加工をしてくれる鉄工所
簡単な探し物のはずだった。実際にSVOをやっている人が用意している物だ。
同じ日本で揃わない訳がない。
と思っていたが、まずホース。
ボンネットの下でエンジンルームの中の高熱に耐えられ、軽油と植物油に耐性があるもの。
燃料を送ったりする圧力に対しての耐性も必要。
Aさんはブリジストン車のホースを使っていると言っていた。
詳しい品番は聞けなかったがここまでわかれば自分で捜せると思った。
まずブリジストンのHPをチェックして、
次に販売店をネットから窓口をしらべて電話で教えてもらった。
沖縄ブリジストン 担当○○さん
さっそく販売店に電話をかけて、担当の人をお願いした。
担当の人に欲しいホースの種類とその用途を説明し、
実際に使ってる人がいるんだからあるはず、どの品番なのかを調べてもらう事に。
今すぐは分からないから調べて連絡しますと言われ、
まずホースはこれでなんとか手に入るかな。と思って次の探し物に取りかかった。
分岐用のパイプはDIYセンターに行けば、継手とパイプを組み合わせて作る事が出来た。
開閉バルブも見つけた。
しかし、でかすぎるし重すぎた。
エンジンの振動で上下に揺れる場所に重いものは取り付けるのは怖い。
そこで他の物を探した。
インターネットでさまざまな工具、配管部品を調べた。
希望しているような物はなかなか見つからなかった。
自分の車の冷却水の通るパイプの内径に合った物でなければならないので、
物探しは難航した。
100Vのリレーは、
エンジン始動時に燃料ラインと燃料フィルター代わりの油水分離器に仕込まれている
グロープラグに使う為である。
Aさんから送られてきた部品のセットの中には、
タイマー制御でグロープラグのON/OFFができる装置があったが、
Aさんは暖める油の量が多い油水分離器のグロープラグの設定にあわせると、
噴射ポンプ直前の燃料ラインの油を加熱するグロープラグの加熱時間が長過ぎるという。
改良の余地のひとつだという。
そこで、Aさんから置くられてきた部品を部分的に分解して、
2つの加熱ポイントを別々に操作できるようにしようと思ったのだ。
そこで1つはすでに手元にあるリレーと同型の物を探さなくてはならなかった。
結局そんな物探しの為に1ヶ月以上を使ってしまった。
メカニックの人は、トヨタの部品センターで燃料ポンプのパーツを探してくれるといっていた。
僕はその為の資料として、同じ同型エンジンの整備マニアルやディーゼルの専門書を
買い求めて理解に勤めた。
そうした地道な努力は、また人の問題で大きく足下を揺さぶられていた。
先日に問い合わせた沖縄ブリジストンの担当○○はホースの事を連絡せずに音沙汰無し。
しょうがないからAさんに品番を聞いて直接注文しようとしてAさんに連絡するもいっこうに繋がらない。
そして取付と機械の相談をしていたメカニックの人が、
逃げたのだ。
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