

「オリジナルキットの開発2」
WASITE SVO REPORT 17.0
Written 08/06/25
プロトタイプ(テスト)カーの完成と、テストドライブを続けていった中で、
沖縄でも14C以下に冷え込むと、エンジンがかからなくなる事がわかり、
オリジナルSVOキットの開発に乗り出した。
そこで試してみたい部品として、
アメリカのSVOメーカー、LOVE CRAFT社のパーツと同様に、
燃料タンクからエンジンへ燃料を送る追加の電磁ポンプがあった。
ガソリン車でもキャブを大型化して燃料の吸い込みが多くなった時などに電磁ポンプが付けられたりする。
燃料の加給が足りない時に使われるのだ。
SVOにおいてもそれは有効のようだ。
粘性の高い燃料では、エンジンへの供給がスムーズにいかず、
燃料の供給が悪くなりエンジンが止まる。
ならば、燃料を暖めて流動性を良くしてエンジンへの供給をスムーズにさせる。
というのがこれまでのSVOの常識的な仕掛けで、
それに対して電磁ポンプは、流動性の良くない油も強制的に送りだす。
長野のAさんから電磁ポンプの購入をすすめられ、ぼくはそれを受けたが、
結局Aさんの事情でそれがキャンセルになり結局オークションでそれを手にいれた。
購入したのは

・5-9 PSI UNIVERSAL フュエルポンプ KIT
¥6,500-
ヒューズやスイッチ、配線をいれても一万円はしない。

ヒューズソケットに5Aのヒューズ、あと、小型リレーをつけたもの
全部オートバックスかDIYショップで揃います。
電磁ポンプを手にいれて、次にしたのは、
オリジナルの熱交換機の開発。
いくら電磁ポンプで燃料を送りだせば流動性がよくなり、エンジンもかかりも良くなる。
しかしアイドリング時のエンジンならそれでもいいだろうが、
走りはじめて高回転で回るエンジンは、
アイドリング時よりも当然多くの燃料を必要とする。
すると、アイドリングしながらエンジンが暖まる状態から、
冷却水(LC)を熱源として燃料を加熱すると、さらに流動性も発火性も向上する。
熱交換機にも新しい試みを取り入れた。
従来の熱交換機は、熱くなった冷却水(LC)と暖める燃料が
アルミの塊の中で別々の通路を通りながら熱を伝えるような仕組み。
通常はINからOUTへは一方通行。
そこをIN と OUT を2箇所づつにしたのだ。
このやり方はLOVE CRAFT社製の燃料フィルターと同じような仕組み。
ディーゼル車の燃料ラインに特化した仕組みといってもいいのではないかな。
今のディーゼルエンジンは、ほぼコモンレールという仕組みで作られている。
(詳しい説明はここでは省きます)
燃料タンクから燃料噴射ポンプを通ってエンジンの噴射ノズルまで燃料が供給されるのだが、
燃料はノズルの手前まで常に均一の圧力で流れている。
そして、走行時にノズルから噴出されなかった燃料はオーバーフローといって、燃料タンクに戻される。
タンクからエンジンに向かう燃料の流れと、
エンジンからタンクに戻る流れ。
これを熱交換機の中でひとつにまとめる。
タンク→熱交換機→燃料フィルター→エンジン : これが行き。
エンジン→熱交換機→タンクに戻る : これが帰り。
エンジンからオーバーフローで戻ってきた燃料は、すでに熱交換機を通って燃料フィルターを通ってる為、
ホットでクリーン。
熱交換機の燃料ラインの中でタンクからの燃料とエンジンからの燃料が混ざるようになる。
タンクに戻る燃料も熱交換で加熱される為、タンクに戻った燃料でタンクの中も暖められる。
こうして燃料系統をすべて暖められるはず。
そうした意図で、自分で設計したのが、こちら。

熱交換機 HX-TANK
詳しい作りやパーツについては、後ほど技術的なレポートをまとめるので、
ここでは割愛します。
設計は2007年の12月からスタートして、
色んな熱交換の方法を考えては試作品をつくり、
無駄な徒労とガラクタばかりが増えていった。
上の画像のような設計が出来て、
以前にも加工を依頼した旋盤屋さんに設計図と元の無垢のアルミ材を持ち込んだのが、
2008年の2月。
無垢のアルミ材の発注は、自らインターネットで探して取り寄せた。
次に探したのはゴムのパッキン。
燃料ホースの時同様、このパッキンにも油や高温に対して耐性がないとぼろぼろになってしまう。
材質から探して、自分の設計にあうパッキンを探すのは難しかった。
そうしている内に先に金属加工が終わった。
(といってもやっぱりウチナータイム(沖縄時間)で大幅に遅れたが)
まだテスト段階だし、パッキンは後から発注しよう。
まずはこれで組み立てからテストまで持っていくことが必須。
設計通りの厚さのゴム板を買ってきて、円形に切り抜けるコンパス型のカッターを使って、
ゴムパッキンを自作した。これは難しい作業だった。
何度も作り直しながら出来上がったゴムパッキンを使って、
早速組み立ててみた。
組み立てこそは難しくはないが、
取り付けから実際の使用にいたるまでは、簡単には行かなかった。
まず、HX-TANKからの燃料漏れ。
これが一番怖い。構造はHX-TANK内で2層構造になっている為、
中でも燃料が漏れていたら、冷却水(LC)と混ざってしまう。
何度も組み立てとチェック、テスト、分解、中の様子を観察。
とこんな作業が続いた。

HX-TANK
実はこれは、新バージョンで、最初に作ったのは、
画像の中の黒い継手が外に4つ、中に2つという配置。
(これも後ほど技術的レポートで説明します)
1作目の作りだと、燃料の暖まりが悪く、
充分に熱交換がされていない事が分かった。
そこでHX-TANKの上部の設計を上の画像のような設計にして
再度旋盤屋さんに持ち込んだ。
相変わらず遅いのだが、今回はまずい事にへまをした。
まん中から垂直にネジ穴が通ってHX-TANKの下にビスが入って固定されなければならないのだが、
上部パーツのビスの進入角度がずれてしまい、うまく入らない。
無理矢理にねじ込むとHX-TANKの取付にガタがきて、燃料が漏れてしまう。
旋盤屋にクレームを出すが、材料はこれしかない。
仕方がなくビスのサイズを大きくしてネジ穴(タップ)を切り直すことにした。
それに合わせてビスとそれに合わせて工具のソケットを買わねばならんのに。
その方法で何とかうまく固定できるようになり、ひとまず装着テストまで出来た。
その頃には自分の設計した通りのゴムパッキンを工場に発注して手にいれていた。
すべての部品が揃ってHX-TANKが出来上がった。
再度HX-TANKの取り付けから、エンジンを回して熱交換の性能を確認してみる事に。
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