

「テクニカルリポート/オリジナル」
WASITE SVO REPORT 20.0
Written 08/07/03
前回のプロトタイプのレポートに引き続き、自分で設計したSVO部品のレポート

::テスト車種::
ハイラックス Wキャブ
エンジン型式:LN-65
エンジン排気量:2.4P
初年度登録:昭和63年
燃料:軽油
車検証記載事項:(1)燃料 廃食用油燃料併用
:: 車種についてコメント ::
オリジナルパーツを開発している時からか、その前からか、燃料漏れとオイル漏れを確認。
1/7日、バッテリーが上がってしまった時に、車はノーマルの状態に戻してしばらく走行したが、
エンジンのどこからか燃料が漏れていたようだ。

:: SVOキット ::
■オリジナルSVO主要部品構成
・HX-TANK
・電磁ポンプ
・純正燃料フィルター
・冷却水(LC)を分岐させるパイプ(車のホースの内径サイズに合わせて用意が必要、自分はバイク用水温計取り付けパイプを使用)
その他の部品は前回のレポートに有るものと同様。

:: HX-TANK 設計について::
今回、SVOに必要な「熱」対策用の部品としてHX-TANK(熱交換機)を設計。
従来の熱交換機はエンジンの熱を冷ます冷却水(LC)を使い熱交換機の本体を暖める役割を果たしていた。
熱交換機の中では冷却水も熱交換で暖める燃料もINからOUTまで一方通行。物体の中を走るパイプの中を通るだけ。
シンプルな形だった。
そこで、熱を溜める熱交換機に、燃料も冷却水も溜める「TANK=容器」という形で熱交換が出来ないかと思った。
最終的に出来上がったものはこちら。

このアルミで出来た外見の中は、外に2つのバルブがついたアウタータンクと、
中に4つのバルブがついたインナータンクの2つの空間が出来ている。
使い方は、外の2つのバルブの内1つにラジエターホースから冷却水を分岐させたホースを繋げる。
もちろんもう1つはラジエターホースに返すリターンのホース。
これでアウタータンクに熱くなった冷却水が入り、HX-TANK全体をあたためる。
HX-TANKの底と天井は厚めのアルミ材で、熱をよく伝える。
インナータンクに繋がる4つのバルブには、
・燃料タンクからのホースを繋げる。(IN)
・燃料フィルターへ流すホースを繋げる(OUT)
・エンジンからオーバーフローで燃料タンクに戻るホースを繋げる(IN)
・燃料タンクに戻すホースを繋げる(OUT)
以上の4つをつなげる。
するとインナータンクの中で燃料タンクから送られてきたまだ暖められていない燃料と、
エンジンから戻ってきた暖められた燃料がここで混ざる。
そこから燃料フィルターを通ってエンジンに行くOUTと、
暖められたまま燃料タンクに戻るOUTとして流れていく。
結果タンクの中にも暖かい燃料が流れていき、タンクの中から暖まってくる。
HX-TANKは外周を取り巻くように冷却水(LC)で包まれている。
その中でインナータンクは上下左右からその空間を暖められる。
そうして、効率的な熱交換と、流動性の向上を目的としてHX-TANKを設計した。
ここで参考までに、いろんな形で設計を試みた物を紹介。

これらが大本になった最初の原案段階。(画像をClickで拡大画像がみれます)
はじめは右のタンクの中にコイルを巻いて温水を中に通す事を考えたが、
試作の段階で銅パイプが思った通りに曲がらないのと、エンジンの振動に耐えられるか?と課題がのこり、
左の案を採用した。
最終的に上のような設計図で旋盤屋さんにかこうのオーダーを出した。
まだまだ 改善しなければならない箇所はあるが、この設計を詳しく見たい人の為にPDFデータもアップしましたので、
欲しい方はダウンロードして下さい。
(この設計図でつくった部品にはまだまだ改良の余地があります。SVO部品としての稼動は保証しません。)
上の設計図のPDFファイル >ダウンロード
実際の取付はこんな感じ。

画像右がHX-TANK、その左下にあるのが電磁ポンプ。


HX-TANKを使った場合の取付図
後付けのグロープラグがないぶん配線もシンプルになりました。
(画像をClickすると拡大画像が見れます)

:: HX-TANKのパーツ構成 ::
 |
 |
 |
上下の蓋(左と中が上部、右が底部)
はめ込み用に彫られた溝には、オリジナルで制作した
ニトリル製パッキンをつける |
 |
 |
 |
最終的な形になる前のバージョン
(エア抜の穴やグロープラグを取り付ける穴も装備)
継手(バルブ)はナイロン製を使用した。 |
| |
|
 |
これが内部の様子(大きい筒の中に小さい筒をいれて2層構造にしている) |
 |
 |
 |
これらが元になる素材。
材質はアルミ。 |
(画像をClickすると拡大画像が見れます)

:: 改良点 ::
今の設計では問題がある、今分かってる事は以下の通り。
今後の誰かの開発に役立つ事を願って。
・HX-TANKのパーツの固定は、まん中に通るセンターボルト1本で上下の蓋を止めて締め上げて固定する。
だが、圧力を均一にする為にもセンターボルトよりも、本体の外でボルト止めや、何かの止め具を使った方が良い。
・アウター・インナーのタンクを天地の蓋に密着させる為のゴムパッキンよりも、Oリングの方が良い。
・エア抜きやボルト止めする穴が有る場合は、Oリング分溝を彫ってワッシャーで潰しながらとめるようにしないと、
Oリングがちぎれる。
・HX-TANKを使ってみて(軽油での使用だが)、燃料の加熱が今一つ。80度近くまで暖まって欲しいが、
そこまで暖まらない。
これには、HX-TANK自体のサイズを調整すればできるだろうか?加熱する燃料の容量が大きいのでは?
まだまだ、改善の余地はある。

:: オリジナル開発の感想 ::
プロトタイプ車の完成から実走行テストを踏まえてオリジナルパーツのコンセプトが固まった。
・シンプルな形で汎用できるもの。
・後付けのグローを使わなくても沖縄の年間を通してエンジンが始動できる事。
そこでタンクからの燃料ラインのほかに、オーバーフローしてきた燃料ももう一度使うという
流動性の向上に熱交換機能がある容器=タンクを思い付いた。
この形になるまで、色々とがらくたをいじくり回して、一度試したら二度と使わないような専門ツールまで買ったりと、
沸いてくるアイデアを形にする事が大変だった。
さて、こうしてまだ未完の状態だがWASITEのSVOプロジェクトはここで一度幕を下ろします。
あと少し、というところだったので、本当に悔しいのだが、
研究に使っていた車がこのほど処分する事になった。
これまで取り組んできた事をHX-TANKの商品版と供に世の中に出したかったのだが、
まずはレポートだけになったことを残念に思います。
このレポートを書いている間にも、自動車の燃料は高騰していっています。
明らかに今までと違った時代に入ったのだと思います。
これからもっとガソリン、原油は高騰するでしょう。
もちろん温暖化の問題においても、自動車の排出する温暖化ガスも問題です。
そこで世界の自動車メーカーがしのぎを削って、次世代自動車を開発しています。
でもその次世代車が一般家庭にやってくるのはいつでしょうか?
それよりも、身近に、自分達の力でできる事があります。
ディーゼルエンジンという、イメージは良くないですが古い車だってまだまだエコに走れるんです。
(お笑いのあんときの猪木のコントの中で事実と違う事を言っていました。
あんときの猪木:ディーゼル車はガソリン車よりも温暖化ガスを多く排出する。これはウソです
本当は・・・ :ディーゼル車はガソリン車よりも温暖化ガスを出しません。
ただ、不燃物質などが、排気ガスと供に排出し人体に悪影響をおよぼします。)
SVOは素晴らしい取り組みだと思います。
また車が必要で買う事があれば、またSVOに挑戦したいと思います。
次は廃油のリサイクルも視野にいれて。
2007年の9月から始ったSVOプロジェクトは、
これで第一幕を終了します。
ありがとうございました。
|