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SVO Car Projekt 自動車だってエコに乗りたい。

WASITEがエコカー作ってみました。

「テクニカルリポート/濾過テスト」

WASITE SVO REPORT 21.0
Written 08/07/05

前回までのSVO部品のレポートから、今回は燃料となる油のレポート

:: 植物燃料について ::
植物燃料として植物から作られるものには、以下のようなものが有ります。

・さとうきびや色んな植物資源から作られる「バイオエタノール」
 ガソリンに3〜10%の割合で混ぜ、ガソリン車に使用、またバイオエタノール100%で走る車も開発が進んでいる。
・植物性(動物性も可)の油脂から精製される「バイオディーゼルフューエル(BDF)」
 ディーゼル車にそのまま給油できるが、トラブルの報告も多数有る。
・ 植物性の油脂をそのままディーゼル車に給油して燃料として使う「ストレートベジタブルオイル(SVO)」
  ディーゼル車に機械的な改造が必要。

上記の中からSVOに取り組みました。

:: SVO (ストレートベジタブルオイル) ::
SVO燃料としての求められる「質」を考えてみます。

SVOは植物性の油脂、つまりサラダ油なんかをそのまま燃料にします。
普通のディーゼル車では軽油を使いますが、
軽油と植物油脂の違いは、

・発火点
・粘性

発火点は約100度近く差があります。
これは、SVO改造部品によって、加熱される事でクリアー。

粘性というのは液体自体の粘り気の事。
タンクからエンジンの中で火がつく所まで詰まらずに流れていかなければならないわけです。

そこで、粘性の高い油はSVOに向きません。途中で詰まってしまったり流れが悪くなるからです。
固まりやすい性質を持つ「パーム油」はSVOとしては不向きです。
ちなみにBDFは植物油脂にエステル交換と言う化学変化を与えて、
粘性の元になるグリセリンを取り除き、発火点も下げることで、ディーゼルエンジンを改造する事なく使用する事が出来ます。

植物油は新油で使う場合も有れば、一度料理に使われた使用済みの廃食油もあります。
廃食油からリサイクルされてBDFになったりしますね。

この使用済みの廃食油も、きれいにする事でSVOの燃料として使用する事が出来ます。

:: 廃食油(植物性油脂)の汚れとは ::
植物性の油脂には、次の2つの汚れ=劣化の種類がある。

・酸化物質による油脂の劣化
・油脂が空気中の酸素と結びついてできる酸化油脂による劣化。

「酸化物質」とは、いわゆる揚げカスのこと。
調理の際に油脂を使用して揚げ物を作ったら油にのこる揚げカスやその他の不純物の事。
この不純物が多いともちろん不純物が多い分だから車のエンジンやいろんなホースの中でつまりの原因になります。

「酸化油脂」とは、調理に使用しなくても、
ただ空気に触れていれば自然に油と酸素が結びついて出来ていきます。
主に粘り気の元になります。

ちなみに上記の2つの油の汚れの事ですが、
料理をする時にも食品衛生法に基づいて料理に使用出来るかどうかの基準が有ります。

酸化物質の量 = AV値
酸化油脂の量 = POV値

この二つの値が高いと健康を害するとされ、食品衛生法の中で厳しく調理に使用出来る油の値が決められています。

当然このAV値、POV値が低い方が汚れていないきれいな油だと言う事になりますね。
そこでSVO用の廃食油を燃料として使用したり、廃食油をきれいにする際の品質のチェックに、
AV値とPOV値の測定で検証したいと思います。

:: 廃食油をキレイにする方法 ::

SVOで自動車を走らせているなら、燃料はもちろん植物油である訳ですが、
常に新油を使える人は少ないでしょう。
それにSVOのメリットは、廃食油だってきれいにすることによってそのまま燃料として使える事。
BDFのように、エステル交換という化学変化を与えて汚水とグリセリンを副産物に排出しなくてもいいんです。

またSVOの先進国アメリカにおいては、
家庭から油を回収して、きれいにリサイクルした植物油をデリバリーしてくれる会社も有るようです。
日本にもそんなサービスがあったらいいですが、
今の日本では回収した廃食油はすでにリサイクルに回されてBDFや石鹸になっています。
SVOの活動の中で、燃料として使用できる廃食油を確保することも重要な事です。

さて、廃食油をきれいにする方法ですが世の中にはたくさんの方法が有るでしょうが、
ここでは代表的な方法を書き出してみます。

濾過(フィルターなど)
 SVOをされている人の中にはストッキングを何枚も重ねて濾過して十分と言う人もいます。
遠心分離(機械的に比重の違う物質をわける)
 とても信頼できるレベルまで廃食油をきれいにできます。
電子分解(機械の潤滑油をキレイに保つためにイオンの力で不純物をわける機械があります)
 中学生の理科を思い出して考え付いたんですが、今業務用に出回っている機械は食用油脂には使えないようです。
 電子の力で不純物を取り除く、いいアイデアだと思ったんだけどなぁ。

:: SVOの難しい所 ::

廃食油の浄化には、取り組む人の数だけやり方が有るようで、
一概にどこまできれいにすれば大丈夫という事が言い切れませんでした。

遠心分離器を使ってSVOを動かしても、問題ないという保障もありませんでした。

中には、使用済みの廃食油のきれいな上澄みだけを吸い取ってそれだけでSVOを動かしている人もいます。
その人はそれで何ごともなくずっとSVOに乗っているようです。
かと思えば、しっかり濾過するのになぜかよく止まってしまう人もいるようです。

油の種類や質はどこをとっても同じものがありません。
車の種類も違えばエンジンの性能も違います。

だから誰にでも使えて、SVO使用に安全なレベルまでの浄化が出来る装置が有ればいいと思います。
それには、SVOに安全なレベルをきめる所から。

:: 廃食油の浄化テスト ::
廃食油をキレイにする方法を探しながらひとつの濾過機に注目した。
飲食店向けに販売されている廃食用油再生機のようなもの。

さっそく販売元の会社に問い合わせて浄化性能を調べてもらう事にした。
※まだこれが実用に向くものか分からないので、まだその会社名と商品名は伏せて話を進めます。

浄化性能の測定方法は、さきに説明したAV値とPOV値を調べる専用の試験紙がありこれを用いる。
AV値とPOV値は0からスタートして、汚れてくると数字が増えていきます。
つまり数字が小さい方がきれいな油だと言う事です。

まず、基準になる走行可能な油の数値を計測します。
基準にするのは、長野のAさんがいつもそばやさんでもらってくると言う天ぷら油。
Aさんは濾過などしないでその上澄みで走っているようだ。今回その上澄みを少し分けてもらった。
さっそく測定してみた所


画像をClickすると拡大画像が出ます

:: 基準とするSVO ::
提供:Aさん(長野県)

試験名:WVO Z
状 態:浄化前(上澄みのみ)
AV値:4.0
POV値:0.0
測定日:2007/10/3

:: コメント ::
不純物が沈澱した所ですくいとった上澄みということで、さすがに見た目はキレイ。しかしAV値が4.0と目には見えない酸化物質がある事がわかる。
また色からもその状態は識別できる。

Aさんはこれでフォルクスワーゲンのゴルフに給油していて問題ないらしい。

次に測定する油は沖縄の一般的な弁当屋さんとスーパーの惣菜を作っている厨房の油を使用。
油は研究にということで説明とご理解の上、少しづつ分けて頂きました。
研究にご協力頂きましてありがとうございました。宜野湾市喜友名 りんちゃん弁当 様、ユニオン 新城店 様
元の状態はこちら


画像をClickすると拡大画像が出ます

:: 試験対象廃食油 ::

試験名:WVO A
状 態:浄化前(すべて)
AV値:3.0
POV値:0-10
測定日:2007/10/3

:: コメント ::
揚げカス=不純物も統べて入った状態。
この状態でもAV値は基準となるWVO Zよりも低い。
見た目よりも汚れていないと言う事か。

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:: 試験対象廃食油 ::

試験名:WVO B
状 態:浄化前(すべて)
AV値:1.0
POV値:0
測定日:2007/10/3

:: コメント ::
揚げカス=不純物も統べて入った状態。
この状態でもAV値が1.0。
POV値も0と驚きの結果。

上の2種類の廃食油を使って浄化テストをしてもらい、こちらで一通りの検査を行いました。以下検査結果。


画像をClickすると拡大画像が出ます

:: 試験対象廃食油 ::

試験名:WVO A
状 態:浄化前(上澄み)
AV値:3.0
POV値:0-10
測定日:2007/10/3

:: コメント ::
WVO Aの不純物を沈澱させて上澄みだけを採取したもの。
見た目的にはカスがなくなりキレイになったと思えるが、
AV値とPOV値の値は代わらない。

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:: 試験対象廃食油 ::

試験名:WVO B
状 態:浄化前(上澄み)
AV値:1.0
POV値:0
測定日:2007/10/3

:: コメント ::
WVO Bの不純物を沈澱させて上澄みだけを採取したもの。
見た目的にはカスがなくなりキレイになったと思えるが、
AV値とPOV値の値は代わらない。

この時点で基準となるWVO Z よりもきれいな油が出来ている。
データによればこの油でもAさんの車は問題ないはずだ。

いよいよ濾過機を使いますが、まずは70%の性能で濾過しました。


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:: 試験対象廃食油 ::

試験名:WVO A
状 態:70%使用
AV値:0.0
POV値:0-10
測定日:2007/10/3

:: コメント ::
WVO Aを濾過性能の70%で濾過した所、
色が格段に薄くなりました。
それに伴いAV値は3.0から0.0まで減少。
この濾過機で廃食油のなかの酸化物質を取り除く事が出来ることが判明、それは色で識別できる。
POV値ついては、油脂が酸素で変質しているものだから、取り除く事は出来ないようだ。値が下がらない

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:: 試験対象廃食油 ::

試験名:WVO B
状 態:70%使用
AV値:0.0
POV値:10
測定日:2007/10/3

:: コメント ::
WVO B濾過性能の70%で濾過した所WVO Aと同様に見た目から変化が認められる。
値にもそれが現れAV値は当然下がり0.0。
ここで新しい変化が見られる先ほどまでPOV値が0だったのが、ここで10に増えている。
酸化した油脂が入っているということ。
調査を続ける。

次は100%の性能で濾過しました。濾過はWVO AもBもそれぞれ上澄みの物から新たにテストしてます。


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:: 試験対象廃食油 ::

試験名:WVO A
状 態:100%使用
AV値:0.0
POV値:0-10
測定日:2007/10/3

:: コメント ::
WVO Aを濾過性能の100%で濾過した所、
さらに色が薄くなりました。
見た目以外に数値による変化は見られないが、色の変化はAV値の減少を表わすとしたら70%から100%でも色の差だけキレイになっているはず。

画像をClickすると拡大画像が出ます

:: 試験対象廃食油 ::

試験名:WVO B
状 態:100%使用
AV値:0.0
POV値:10
測定日:2007/10/3

:: コメント ::
WVO B濾過性能の100%で濾過した。やはり70%のそれと明らかに差がでてキレイになっている。数値の上では0からそれ以上の細かい検査は出来ないが100%の濾過性能はここまでの浄化を証明した。

100%でもやはりPOV値は変化しない。

AV値においてはこの濾過性能によって劇的に浄化できる事が分かった。
WVO Aのテスト一覧(左が未処理← →右が処理済み)


WVO Bのテスト一覧(左が未処理← →右が処理済み)

問題はPOV値。ぼくは改めて違う試験油脂を用意して再度濾過テストをお願いした。


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:: 試験対象廃食油 ::
基準サンプル
試験名:Non Use Oil 1
状 態:未使用新品
AV値:0.0
POV値:0
測定日:2007/10/3

:: コメント ::
新品のサラダ油を開封したばかりのあぶら。
さすがに数値は0を示している。

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:: 試験対象廃食油 ::

試験名:Non Use Oil 1
状 態:開封5日経過
AV値:0.0
POV値:30ー(50)
測定日:2007/10/3

:: コメント ::
新品のサラダ油を開封し、蓋を閉めずに空気にさらす事5日。
やはりPOV値にPOV値を上昇させている。
ほんのり色が濁っているのが見られる。
AV値は不純物が入った訳ではないので当然変化無し。

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:: 試験対象廃食油 ::

試験名:Non Use Oil 2
状 態:開封後半年以上経過
AV値:0.0
POV値:30ー(50)
測定日:2007/10/3

:: コメント ::
家のキッチンにあった、調理用のサラダ油。
もう少しで使い切る所を試験サンプルに。
すでに開封されていて、空気に触れていたので酸化は進んでいた。
数値は開封5日と同じだが、色が濁っているのが不健康そうだ。
これで料理していたかと思うとすこし気分が悪い。

この上の一見未使用な油を濾過機にかける事でその変化を観察。今回濾過性能は100%だけ。


画像をClickすると拡大画像が出ます

:: 試験対象廃食油 ::

試験名:Non Use Oil 1
状 態:100%使用
AV値:0.0
POV値:30ー(50)
測定日:2007/10/22

:: コメント ::
開封5日で酸化油脂が含まれる新油を濾過装置に。
結果はPOV値に変化はなく、ただ何となく色が薄くなったかと思う喰らい

画像をClickすると拡大画像が出ます

:: 試験対象廃食油 ::

試験名:Non Use Oil 1
状 態:100%使用
AV値:0.0
POV値:30ー(50)
測定日:2007/10/22

:: コメント ::
上のデータと同様。オイルのが見えにくいから別の写真を掲載

つづいて半年以上空気に触れていた油の濾過結果。


画像をClickすると拡大画像が出ます

:: 試験対象廃食油 ::

試験名:Non Use Oil 2
状 態:開封後半年以上経過
AV値:0.0
POV値:30ー(50)
測定日:2007/10/22

:: コメント ::
家のキッチンにあった、調理用のサラダ油。
やはり100%の濾過を使ってもPOV値は下がらない。
これもやはりすこし色が薄くなったかなと思える。

画像をClickすると拡大画像が出ます

:: 試験対象廃食油 ::

試験名:Non Use Oil 2
状 態:開封後半年以上経過
AV値:0.0
POV値:30ー(50)
測定日:2007/10/22

:: コメント ::
上のデータと同様。オイルのが見えにくいから別の写真を掲載

以上のテストからPOV値に反応する酸化した油脂は、濾過によって除去する事は出来ません。
ただ油脂自体の変質の為、SVOにとってどれだけ影響が有るかは分かりません。

未使用油のPOV値が高いのは、開封してから実際の調理には使っていないが、
長く空気に触れていたので、それだけ酸素と結びついて過酸化物質が増えてしまったと言う事になります。

ですので、WVO Bは濾過機がテストを行う時に70%のセッティングをしたり100%のセッティングをしたり、
容器に詰め替えたりと、空気に触れる時間が長かった為、微弱ながらPOV値が増えたと思われます。

WVO AはすでにPOV値が10あったため、濾過中に酸化が進んでも試験紙が反応するほど酸化が進まないものだと思われます。

比較の為に取っておいた浄化前のサンプルのAとBは封を閉めて暗く涼しい所に保管しておいたので、POVは変わっていません。

POV値が高いと油が粘ったりしますので粘度の高い油はSVOには不都合、極度にPOV値が高い油は使用しないようにします。

(実際に植物油を給油すれば、車のタンクの中で酸素と結びついて酸化が進む事になります。
 ですのであまりPOV値に厳格になることは無意味かと思います。)

もっとも、酸化の早い油脂の種類もあり、何を揚げていたのかにもよって結果は変わってくると思います。
というのも、このテストサンプルを冷蔵庫に保存した際に、WVO AとBの便の中に白い物がたまっているのが確認されました。
しばらくなんだか分からなかったのですが、おそらく、動物性油脂です。

濾過した油は植物性油脂だが、調理している段階で、肉質類(スパム、ウィンナーなど)を揚げていたら、
少量の動物性油脂は植物性油脂に溶け込んでしまうようです。
それが冷蔵庫で冷やされる事によって融点と凝固点の差で動物性油脂だけが固まって分離しました。

そばやさんのような肉質類を扱わないお店なら良いですが、何でも揚げるお店の油を使う場合は一応チェックした方がいいと思われます。
油が車内で冷えて分離したら動物性油脂の固まりがホースにいることになるから。

:: 廃食油の浄化基準 ::
これまでの濾過テストとAさんが長野で使用されている上澄みの廃食油の検査結果から、
誰でもどの車種でも安心して使用できる油の基準を仮に設けるならば、

AV値:0.0ー1.0まで
POV値:10.0まで

ここまでの浄化が望ましいと思います。

:: 比較画像1 ::

:: 比較画像2 ::

左からAさんの日常使用しているオイル、100%の性能で濾過したオイル、新品のオイル。

実際に全ての車種で試す事は不可能なのでこの仮説の実証は経験を通して確認していくしかありませんが、
ここまで浄化が可能ですし、ここまで浄化した廃食油なら給油も安心してできると思います。

どうですか?

:: 濾過機のテストモニター募集 ::
これまでの濾過テストをしてきた濾過機の濾過材をコンパクトにしてテスト機を作りました。
濾過性能は実験した通りです。あとは、これをどれだけの廃食油を処理できるかを計測したいのですが、
そのデータ測定に協力して下さる方を募集します。

詳細はまた後ほど追加します。

 

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